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各筋肉に働きかけるプログラム

脚の筋肉

私たちが生涯、健康で寝たっきりになって介護される事無く過ごす為には、まず丈夫な脚が必要です。脚の筋肉は大きく3つに分かれます。太ももの前・後とお尻です。目的の筋肉に上手く刺激を伝える為に正しいフォームを覚えましょう。

スクワットは基本中の基本種目(エクササイズ)です。このフォームをしっかりと覚え、実行する事で死ぬまで歩ける筋力(筋量)を獲得できます。ウォーキング(歩く事)では、心肺機能の向上はできますが、いろいろな研究で、一生歩けるだけの筋力は付ける事ができません。いつかは歩けなくなる時が必ずやって来ます。ところが、スクワットやレッグランジ等の筋力アップ運動を行うと、いつまでも歩いて行けます。上手く行くと棺桶まで、歩いて行けるのです。

ところで、脚の運動は足首・膝・股関節の曲げ伸ばしで行われます。関節は消耗品で使えば使うほど、消耗して行きます。足首や膝に大きな負担をかけるようなやり方はお薦めできません。例えば、70歳過ぎぐらいで、膝関節が変形し骨が擦り減っている人は、膝に負担のかかる(膝が前に出過ぎる)スクワットで行うと、変形をどんどん進めて行くことになります。足首も同様です。従って、理想的なスクワットは股関節を良く使い(骨盤を動かす)、少ない量(回数)で効果の上がる(良く効く)スクワットと言う事になります。股関節を使うと、骨盤が動き、骨盤に付いている腹筋・背筋・脚の筋肉が動き、刺激を受けます。股関節を充分に使い、そして膝・足首を二次的に使う事で、トレーニング効果を最大限引き出す事ができます。幸いにも、転倒で折れ易い、太腿骨上部(頚部)<ここが折れると寝たっきりになるケースが非常に多い>を強化できます。更に、上手く行われているか、定期的に病院(医療機関)で調べもらう事をお薦めします。

実はこのスクワットのフォームは筋力トレーニングのあらゆる場面で応用する事ができます。健康管理はもちろん、競技力向上、病後の体力回復、小・中学生の筋力アップ、女性のシェイプアップ等の正しいフォームは基本的に皆同じです。マルヤジムでは7歳の子供と90歳の高齢者が一緒にトレーニングしています。まずは正しいフォーム、正しいやり方をマスターしてください。

背中の筋肉

背筋が弱くなると、腰痛を引き起こす直接的な原因になってきます。また、背筋は日常生活の中ではあまり使われない部分でもあり、弱っているのに気づかず、ぎっくり腰になったりします。背骨をしっかり安定させ、保護できる筋肉を作りましょう。背中の運動で誤ったフォームで行なうと、即腰痛と言う事にもなりますので、正しいフォームを理解し、安全に行なってください。グッドモーニングは背骨を保護し支えている、背骨の両脇にある筋肉を作るトレーニングです。

またこの種目は、お尻・脚の後側の筋肉にも効果があります。グッドモーニングは更に、背中の上部肩甲骨回りの筋肉を強化できます。大きく見ると、腰は腹筋・お尻と太腿の後・背筋のバランスで良好な状態を保っています。腰痛がおきると、できない運動が多々あります。その間どんどん筋力は弱くなって行きます。直ってからも、再発しないよう慎重に、ごく軽い運動から再開して行かなければなりません。また、元に戻るまで、かなり時間もかかってしまいます。骨や筋肉以外の部分に異状が出ると、更に大変になってきますので、できれば元気なうちに、しっかり強化して下さい。

胸の筋肉

身体は脚・背中・胸という3つの大きな筋肉で支えられています。これらの筋肉がバランス良く強化できれば、健康管理からスポーツでのパフォーマンス向上に大変有効です。胸の運動を行うと、男性は男らしい胸板を、女性は形の良い魅力的なバストを手に入れる事ができます。現場で指導に当たっていると、胸に効かせるフォームが肩や腕に効くように成ってしまっている人をよく見かけます。正しいフォームを理解し、怪我・障害を引き起こさないよう安全に行ってください。

胸の筋肉強化で実は、猫背を改善することもできます。プッシュアップ(腕立て伏せ)は胸の基本となる種目です。またこの種目は上腕三頭筋(ちからこぶの反対側)も引き締めてくれます。ラレラルレイズライイングは、肘関節をあまり使わず、より胸の筋肉を使うように、肩関節の動きを重視しています。

肩の筋肉

肩は日常生活の中でも、痛め易い部分です。40肩や50肩でいつのまにか、腕が上がらなくなって、1年以上も苦しんでいる人もいます。スポーツ選手も目に見えない、肩の奥の筋肉(インナーマッスル)を痛めて、なかなか直らず、苦労している人を見かけます。腰痛と同じく、できれば、痛める前に、強化をして下さい。幸い、運動は簡単に行えます。
 

スタンディングプレスは、基本的な肩の運動です。肩全体に効果があります。サイドレイズは特に肩の真横に効果的です。肩の奥を保護する為にも、大変重要な種目です。ショルダーシュラッグとアップライトローは<肩のこり>がでる方の肩を強化する種目です。<肩がこる>筋肉は2つの働きがあります。1つは肩を上下に動かす。もう1つは肩甲骨を内側に引き寄せる(胸を張る)。この2つの動きを同時に行います。

腕の筋肉

腕の運動は肘の曲げ伸ばしで、行われます。ダンベルカールが基本になります。これは<力こぶ>の筋肉を強化する種目ですが、腕はその反対側の筋肉も有りますので、そのトレーニングとして、スタンディングトライセプスプレスを入れました。
 
コンセントレーションカール、フレンチプレスライイングの2つは更に効かせる、効果的な種目です。腕の運動では、理に適った肘関節の使い方が、大変重要です。長年指導に携わっていると、フォームが原因で障害になってしまった人を、見かけることが有りますが、大変残念です。身体は回転運動で関節を使うようにできていますので、支点・力点・作用点の関係から手に持っている重量の、何倍もの負担が関節にかかってきます。各関節を大切に使うことで、丈夫な関節、強い筋肉を作って下さい。

腹筋

腹筋をトレーニングする時、考えなければならないことは、腰痛との関係です。腰の反対側に腹筋がありますので、やり方によっては、腰に負担をかけ、腰痛になってしまう人がいます。
 

クランチは子供から高齢者まで、万人向けの種目です。腹筋は、骨盤から鳩尾に繋がっている構造をしています。従って、動かし方は、1)骨盤に鳩尾を近づける、2)鳩尾を骨盤に近づける、3)<鳩と骨盤>両方を一緒に近づける。この3通りがあります。限りなく安全に行うために、上記の種目は膝を立てて曲げて、腰が床面から離れない状態で行います。レッグレイズで、膝が胸に近づき過ぎ、腰が床から完全に離れてしまっている人がいます。充分腰に意識を集中して、100%安全を目標に行ってください。